若手社員の育成が思うように進まないとき、「本人にもう少し意欲があれば」「上司がもう少し丁寧に関われれば」と考えることがあります。
もちろん、本人や上司の関わりは大切です。でも、少し視野を広げてみると、育成を難しくしているものが、職場の中に見えてくることもあります。
今回は、若手育成を本人や上司だけの問題にせず、組織という視点から考えてみたいと思います。
若手育成がうまくいかないとき、どこに目を向けるか
若手社員の育成について考えるとき、私たちはつい本人や上司の在り方に目を向けがちです。
しかし、状況が違えば、育ち方は変わります。
周囲との関係や仕事の任せ方、相談できる人の存在など、日々の職場には成長に影響するさまざまな要素があります。
たとえば、困ったときに相談できる人がいるか。仕事の目的や期待されていることが伝わっているか。少しずつ経験を重ねられるような仕事の任せ方になっているか。
こうした一つひとつの違いが、若手社員の仕事への向き合い方や成長にも影響します。
育成が思うように進まないときには、本人や上司だけではなく、その人を取り巻く職場にも目を向けてみる。
そこから見えてくることもあるのではないでしょうか。
育成を担当者だけに任せていないでしょうか
若手社員の育成には、上司だけでなく、OJT担当者や先輩社員など、さまざまな人が関わるかもしれません。
誰が中心になるかは、本人の経験年数や職場の体制によっても異なります。
こうした育成の担当者がいることは、若手社員にとって心強いことです。
一方で、「育成は担当者に任せておけばよい」となると、その進め方が担当者の経験や考え方に委ねられてしまいます。
担当者によって関わり方に違いがあること自体は、決して悪いことではありません。それぞれの経験や強みを生かした関わりが、若手社員の成長につながることもあります。
しかし、育成についての基本的な考え方や目指す方向まで担当者に委ねられると、育成のあり方に大きな違いが生まれてしまう可能性があります。
では、担当者それぞれの良さを活かしながら、組織として育成を支えていくには、何が必要なのでしょうか。
育成を「組織の仕組み」として考えてみる
若手社員の育成を組織として支えるためには、育成の目標や着地点を共有し、それを支える体制を整えることが必要です。
誰がどのような役割を担うのか。若手社員の成長をどのように捉え、どのように関わっていくのか。担当者が困ったときには、誰が支えるのか。
こうしたことを一人ひとりの判断に委ねるのではなく、組織として方針や体制を定め、職場の取り組みにつなげていく。そうした一連の流れが、育成の仕組みづくりになるのではないでしょうか。
まず、今の育成を見渡してみる
御社の育成はいかがでしょうか。
制度や体制を見直すときには、まず今の職場でどのように育成が行われているのかを見渡してみることも大切です。
若手社員は、仕事や成長について悩んでいることはないだろうか。
育成を担当する人は、どのようなことに困っているだろうか。
周囲の人は、どのように関わっているだろうか。
組織として決めていることと、実際の職場で行われていることに違いはないだろうか。
今ある仕組みや関わり方を一度整理してみることで、変える必要があることだけでなく、すでにうまく機能していることも見えてきます。
今あるものを活かしながら、自社に合った育成の仕組みを考えていく。そこから、若手社員の成長を組織として支える取り組みが始まるのではないでしょうか。

